糖尿病講座(合併症予防:血糖編)メモ

※これは、入院中の講義を受けた自分用メモであり、内容の正しさを保証するものではありません。

※また、糖尿病に関しては各個人で対応方法が異なりますので、この内容で自分の症状を判断せず、必ず医師の判断を仰いでください。

承前

  • 糖尿病にどうしてなるかというのは前に話した。今回は血糖値コントロールの話。
  • 血糖値は食事後のほかに、病気、強い痛み、ストレスによっても上がっていく。

 

血糖値の基準

  • 一般の基準としては空腹時血糖110mg/dl未満(空腹時とは10時間以上絶食の状態を指す)、食後2時間血糖140mg/dl未満
  • 空腹時血糖も重要だが、食後の高血糖は心臓の血管に関わる病気を引き起こしやすい研究結果も。
  • ほかに血糖値の基準としてHbA1CヘモグロビンA1C)、グリコアルブミンがある。
  • HbA1Cは赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、過去2〜3ヶ月の血糖状態を表す。目標値は6.9%未満(これは一般的な目標値で、高血糖の患者が一気に下げようとすると良くない。なだらかに下げていくこと)
  • HbA1Cは腎不全、慢性アルコール中毒の人は高く、逆に貧血の人はヘモグロビン自体が少ないため低く数値が出る傾向があり、指標にならない。
  • グリコアルブミンは血液中のタンパク質であるアルブミンブドウ糖が結びついたもの。過去2〜3週間の血糖状態を把握できる。正常値は11〜16%程度。糖尿上患者は19.5%以下が目標。

 

合併症の出現期間

  • 高血糖状態が続くと合併症が発現する。神経障害が5年目、網膜症が5〜7年目、腎症は10〜15年目と言われる。
  • 合併症予防には脂質の管理も重要。LDL(悪玉)コレステロールは120mg/dl未満(冠動脈疾患の既往がある場合はもっと低い)、HDL(善玉)コレステロールは40mg/dl以上、中性脂肪は150mg/dl未満とする。

 

血糖測定器

  • インスリンを使用している場合は保険の適応内
  • 内服薬や食事療法、運動療法のみの場合は保険の適応外
  • センサー、消毒綿は他の人が触れないようにビニール袋に入れながら家庭内のごみとして処分
  • 針は家庭では処分できない。医療廃棄物であるため。ふたがつく空き瓶などにためておいて、病院に持ってきて処理してもらう。

 

低血糖に関して

  • 薬物療法をしている人の血糖値が70mg/dlになることを言う。手指の震え、冷や汗、動悸、顔面蒼白、頭痛、目のかすみ、集中力の低下。最終的には意識消失や異常行動、けいれんや昏睡に陥る。高血糖の人は70mg/dlにならなくても低血糖症状が出る場合がある。
  • 低血糖の原因として、食事(食事の時間が遅れたとき、食事をとらなかったとき、食事量が普段より少なかったとき、下痢や嘔吐があるとき)、運動(いつもより強く長い運動の最中または運動後、空腹時に運動をしたとき、強い運動あるいは長時間運動した日の夜間および翌日の早朝)、インスリン(インスリンの量が増えたとき、注射手技を間違えたとき)、ほかの薬剤との関係がある。
  • 低血糖症状が出現したら、血糖測定をして血糖値を確かめ、ブドウ糖を5〜10g投与する。30分後も症状が続いたり血糖値が上がらない場合は先ほどと同じ量のブドウ糖を投与する。ブドウ糖がない場合は砂糖を10〜20g投与。(血糖上昇の目安は100)それでも治らない場合は病院へ受診。
  • 食事の直前であれば、(ブドウ糖、砂糖の投与を行わず)そのまま食事をとってもらってOK。食後2時間後の血糖測定で低血糖になっていないことを確認。
  • 糖分の吸収を遅らせる薬を服用していると、砂糖では血糖値が上がりにくいためブドウ糖を使用すること。
  • 低血糖状態になると焦りやすく、固形物のブドウ糖を摂取させるとのどに詰まらせる場合もあるので、できれば液体または粉末状が望ましい。
  • 低血糖対策として砂糖やブドウ糖、また自分が糖尿病患者だとわかるもの(糖尿病手帳など)を持ち歩くこと、そして家族や友人などに対処方法を伝えておくこと
  • 車を運転している際に低血糖症状が発生した場合はハザードランプを点滅させ、路肩に寄せて停車し、砂糖やブドウ糖を摂取すること。また、直前に血糖値の測定、空腹時の運転は避け何か口にしてから運転をすること