糖尿病講座(食事療法基礎編メモ)

※これは、入院中の講義を受けた自分用メモであり、内容の正しさを保証するものではありません。

※また、糖尿病に関しては各個人で対応方法が異なりますので、この内容で自分の症状を判断せず、必ず医師の判断を仰いでください。

なぜ食事療法が必要か?

  • 運動療法、薬物療法を行っても食事が不適切ならば、血糖値の改善は起こらないため。
  • 糖尿病の食事療法で重要なことは、過食を避け、適正な摂取エネルギー量にし、栄養バランスの保たれた食事内容で、正しい食習慣とともに継続すること

糖尿病食事療法の三大原則

  • 腹八分目
  • 栄養のバランスを保つ
  • 食べ方をよくする

腹八分目

  • 食べ過ぎないようにする。肥満体になると体脂肪がインスリンの働きを悪くしてしまう。標準体重を目指すこと。
  • 内臓脂肪型肥満は皮下脂肪型より糖尿病になりやすい。
  • 標準体重の求め方は(身長[m])^2 * 22
  • 例えば 180cm の人ならば 1.8 * 1.8 * 22 = 71.3kg
  • 一日の摂取エネルギー量は標準体重にデスクワーク、主婦などは25〜30kcal、立ち仕事が多い職業などは30〜35kcal、力仕事、スポーツ選手等は35kcal以上をかける
  • 例えば、180cm、デスクワーク中心の人では71.3 * 25 = 1782kcal

栄養バランスを良くする

  • 三大栄養素は炭水化物、タンパク質、脂質。それにビタミン、ミネラル等が入る。
  • 炭水化物は主食(ご飯、パン、麺、芋など)、果物(りんご、みかん、バナナなど)
  • タンパク質は主菜(肉、魚、卵、大豆製品、チーズなど)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、スキムミルクなど)
  • 脂質はサラダ油、バター、マヨネーズ、アーモンド、ごま、ピーナッツ、また油分が多い別の食材(ベーコンやアボガド)
  • ビタミン、ミネラルは副菜(海藻類、野菜、きのこ)
  • 基本的な食事は主食一品、主菜一品、副菜一品。エネルギー量が足りない場合は副菜をもう一品付け加える。
  • 果物は一日一回、食品交換表を参考に。牛乳は一日いっぱい。脂質は気がつくと取り過ぎてしまうので必ず注意する。
  • 調味料の問題はこれとは別にある(応用編で説明)

 

食べ方をよくする

  • 間食はしない。血糖値は食べた後、健康な人でも必ず上がる。しかし、食後2時間程度で元に戻る。糖尿病の人はなかなか下がらない。下がらない状態で間食するとますます上がっていく。
  • 規則正しく食べる。一食一食は最低4時間空けること。また、できれば就眠3時間前に食事は終えること。
  • 食事時間を長くし、よく噛むことで少ない量で満腹感を得られる。(満腹信号は食べて吸収されてから発信されるため)

 

脂質異常症

  • 脂質異常症:コレステロールまたは中性脂肪が高い場合とHDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い場合
  • コレステロールが高い場合は、1)コレステロールが多い食品(卵黄、魚卵、肉の脂身など)をひかえる、2)肉より魚や大豆製品を多くする、3)野菜・海藻・きのこをたくさん食べる(食物繊維が多いため)、4)オリーブオイル、菜種油など植物性の油を利用する(ただし、1g=9kcalあるため多用は厳禁)
  • 中性脂肪が多い場合は1)甘い食品・飲料を控える、2)フルーツの摂取量を控える、3)アルコールは原則禁止

 

高血圧症

  • 摂取エネルギー量のコントロールと塩分制限が基本
  • 注意すべきなのは練り製品、ハム、ソーセージなど加工製品は塩分多し
  • だし汁を利用しうま味を出せば、塩分が少なくとも満足できる。ただし、市販のだし汁は塩分高のものもあるので、無添加の塩分が低いものを選ぶ
  • 酸味(酢やレモン汁)や香辛料(七味唐辛子など)を使う。
  • 食べる直前に味をつける。(中まで染みこませると、味が全体に拡散されるため、同じ塩分でも味気なく感じる。塩分が同じでも表面だけの方が塩味を感じられる)